なぜ不安や悩みを頭の中だけで考えてはいけないのか?




テーマ : 4.メンタルヘルス
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この記事のポイント

不安や悩みを頭の中だけで考えると、ドンドン悪い方向へ考えてしまいます。悩みが深くなると、起こる可能性のないことまで考えて、さらに悩みが深くなってしまいます。そうならないためには、頭の中だけで考えず、客観的に分かるようにすること。その具体的な方法が分かります。


家族が入院して、不安や悩みを抱えるようになった


家族が病気で入院することになり、日々、不安や悩みを抱えながら過ごすようになりました。家族は第二の患者と言われることがありますが、本当にその通りだと思います。

一番大変な思いをしているのは病気になった本人ですが、サポートする家族も不安や悩みを抱えるようになります。

今は、ネットで病気のことを色々と調べることができます。当然、良くない情報も書いてあり、「本当に良くなるのだろうか?」「最悪な状況になったらどうしようか?」と、さらに悩むようになりました。

自分は病気になった家族に何をするべきなのか?


不安や悩みを抱える日々が続き、夜眠れなくなったり、食事が取れなくなってしまいました。

しかしながら、「自分が落ち込んでいる今も、家族は病気を良くするためにがんばっているのに、自分が落ち込んでいるままで良いのだろうか?」と考えるようになりました。

今のままではいけない。

私がやるべきことは、「落ち込むことではなく、病気になった家族が、安心して治療に専念できるようにサポートすること。家族のためにやれることは、何でもやろう。」と、心に誓いました。

日記に不安や悩みをすべて書く


私は、毎日日記を書いており、寝る前に今日1日起こったことを書いています。そこに、病院の先生に言われたこと、家族の病状を書くようにしました。

頭の中だけで考えていると、悪い方に考えがちになるので、なるべく、書き出して目に見えるようにしました。

書いた日記を振り返る


書いた日記を定期的に振り返っています。1日の日記を見ると、その時の家族の病状が書いてあるだけですが、1週間単位で見返していくと、家族の病状が良くなっていることに気がつきます。

・ICUから普通病棟に移動した
・血液検査の数値が良くなった
・車いすで移動できるようなった
・歩行器を使って歩けるようになった
・急性期の病院を退院して回復期のリハビリ病院へ転院できた
・杖を使って歩けるようになった
・口から何も食べることができなかったのが、ゼリーを食べられるようになった
・杖を使わずに歩けるようになった
・自分で洗濯物を干せるようになった
・お粥を食べられるようになった
・とろみをつけた水を飲めるようになった
・刻んだおかずを食べられるようになった

良かったことを赤色で書いてみる


日記を読み返すのも時間がかかるので、良かったことを別に赤色で書くことにしました。

どんな小さなことでも、自分自身で「良かった」と感じたことを書いています。赤色で書くことにより、一目で良かったことが分かります。

悪いこと、不安や悩みに目を向け過ぎると、ドンドン気持ちが落ち込んでしまいます。そうならないために、悪いことばかりに目を向けるのではなく、良かったことにフォーカスするように意識しました。

良いことを意識的に書くようになって、「大変な状況の中でも、良いことがある」と思えるようになり、気持ちが落ち着くようになりました。

不安に感じていることは起こっていない


入院時に、主治医の先生に言われたことは、「今の症状だと約40%の人が助からない」「敗血症で命を落とす可能性がある」「食事が口から取れなくなる可能性がある。状況によっては、気管と食道を分離する手術を行う必要があり、そうなると声が出せなくなる」などです。

いずれも、命や今後の生活に大きな影響が出る内容です。

今も、気管切開していますが、当初病院の先生に言われた最悪な状況にはなっていません。

ここで、何が言いたいのかと言うと、考えすぎるのも良くないと言うことです。

「命を落としてしまったどうしよう?」「口から食べられなくなったらどうしよう?」「声が出せなくなったらどうしよう?」など、考え始めたらキリがありません。

今振り返ってみると、「あれだけ悩んだのは何のためだったのか?」と思います。

心配事が的中するのは3%で、残りの97%が取り越し苦労


国際認知療法学会会長のロバート・L・リーヒ博士が行った研究によると、心配事の85%で実際に良いことが起こり、悪いことが起こった15%のうち79%は予想よりも良い結果になった。

つまり、心配事が的中するのは3%で、残りの97%が取り越し苦労だったことになります。

「しかし、残りの3%に入ったらどうしよう?」と思うのも、普通の反応だと思います。

その3%の不安や悩みを少しでも低減させるために、頭の中だけで考えず、不安や悩みを書き出して、日々の生活の中で良いことにクローズアップすることが大切だと考えています。

行動へのステップ

・不安や悩みは頭の中だけで考えず、書き出して見える化する
・日々の生活の中で、良かったことにフォーカスする
・心配事が的中するのは3%で、残りの97%は実際に起こらないことを知る


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